掛け軸の”裏”

本日は、掛け軸の裏側を少しばかり紹介します。

当然ですが掛け軸は表面しか注目されないもの。

ですのでここではその裏っかわの気持ちを考えてあげましょう。

日の目を見ることのない裏っかわは”黒子”ならぬ”白子”がたくさん活躍しています。


盛峰のブログ 肌裏紙。これを切り分けてたくさんの白子たちを作ります。








盛峰のブログ 和紙の強度を上げるために上の肌裏紙で裏打ちして乾燥させます。










盛峰のブログ いろんな行程を経てここまでで肌裏紙は2枚使ってます。


それから上と下に軸木を入れるための「軸袋」さんと「八双袋」さんを張り付けます。さらにこの二人を助けるための「軸助け」さんも上下に二人ずつ貼り付けます。

















盛峰のブログ そして、両側の耳を折った部分を補強する「張手」さんの登場。

繊維がギザギザになった部分を使って補強します。

このギザギザは「喰い裂き」ちゃんです。

この子は実はギザカワユスなんです。

なぜなら・・・

















盛峰のブログ これが貼り付け後の状態。

このギザカワいたらどんなにユスってもびくともしません。





















盛峰のブログ そして、「総裏打ち」をします。

ここでもギザギザを使っています。これは掛け軸全体を裏打ちするときに、肌裏紙を何等分かにして全体に貼っていきます。それぞれが重なり合うのりしろ部分が厚くならないための工夫です。











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総裏打ち終了。

2週間ほど乾燥させます。その後も作業はまだまだ続きます・・・