『日本の書展』公募臨書展のご案内 その他いろいろ

ここ数年は個人的な事情により県内、及びその他の全国展に書作品を出品していなかったのですが、昨年、唯一出品した『日本の書展』 の臨書展が本日から開催されています。出品した作品は国立新美術館に展示(後期展に)していただけることになったのですが、僕は教室があるので見に行く時間がない。お時間がある方は是非とも足を運んでいただければと思います。東京へ。

そもそも、『臨書』とはなんぞや?とお思いの方がいらっしゃるかと思いますので、一言で申しますと、「書の基礎」です。

少し長めに説明すると、古典を真似ながら字形や筆法を模倣し技術を習得していくものです。2~3年ではなく10年単位で習得していくものですのでとても重要です。そんなに長いのは嫌だ、という人がいらっしゃると思います。先を見てしまうと長いですが、僕はなんだかんだで20年やってきました。先をまったく見ていなかったので今振り返ってみて、あ~やっと20年経ったな~という感じです。もちろんこれは「お習字」ではなくて「書道」をしてきた年数ということになりますが、これでも短い方で、いってみればまだまだペーペーというやつです。

 

臨書をする上でのとりあえずの目標は、古典の字形を完璧に写し取ること、なのですが、そこだけにとらわれていると本来の目的である技法の習得、線質の向上を蔑ろにしてしまうので気をつけなけばなりません。文字を平面的に捉えて漠然と写し取るだけでは「お習字」になってしまいます。平面ではなく立体として捉えるようにすると、薄っぺらい線から深みのある線になり、奥行きのある表現ができるようになります。手本となる古典を見て考えるだけではだめで、ひたすら手を動かして書かなければならず、100通りの書き方で失敗したのなら200通りのやり方を試してみる。そうやって、古典と向き合いながら技法を習得していく、これが臨書というものなのです。

 

 

まったく話が変わりますが、古典といえば、NHKのEテレで月曜日の23時から放映している『超入門!落語THE MOVIE』がすごく面白い。古典落語を映像化したもので、落語というと若者は敬遠しがちなのですが、落語の登場人物を人気の芸人さんやタレントが演じていて、その演技力もさることながら、噺家の演技力にも同時に唸らせられます。YouTubeにもこれまでのものがまとめてアップされているので興味のある方は是非。

 

 

演技力といえば、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の宮沢りえさんはめちゃくちゃヤバいですね。もちろん作品自体も最高ですよ。観てない人はすぐにレンタルしなさい、というレベルです。予告編はつまらないのでこの作品のエンディング曲を載せておきます。「きのこ」に妙に親近感が湧きます。