永遠のこどもたち

昨日の記事で作品タイトルを間違えたのでここでも訂正とお詫びを。

そして作品の紹介を。

預言者』の監督J・A・ヨバナと書いていましたが、正しくは『永遠のこどもたち 』です。この作品は知っていたのだけど観てなくて、今回の件でなぜだかいてもたってもいられなくなり急遽観ることにした。近場のゲオの在庫は1本のみ。旧作なんで100円。

この映画の製作総指揮はギレルモ・デル・トロ(!)2008年のホラー作品です。ホラーと聞いて眉をひそめるのは早すぎます。なんといってもギレルモ・デル・トロですから。ギレルモ・デル・トロを知らない人は検索してその作品を観てください。間違いないですから。

いや、監督はJ・A・ヨバナなんでヨバナっちを立てないといけない。ここ数年僕は以前ほど映画にタッチしていなかったのでこちらの監督を知りませんでした。が『インポッシブル』を知ってしまった御蔭でまた心を動かされることに。『永遠の~』もヤバイです。ホラーなのに泣けるという。ホラーといってもそんなにホラーホラーしてないから安心してください。まあでもその感覚は見る人によるけど。


あらすじ:海辺にある孤児院で幸せな子供時代を過ごしたラウラ(ベレン・ルエダ)。30年後、彼女は閉鎖されていた孤児院を買い取り、障害を持つ子供たちのためのホームとして再建するために、夫カルロス(フェルナンド・カヨ)、幼い息子シモン(ロジェ・プリンセプ)とともに移り住む。施設開園の準備に追われる中、難病を抱えるシモンは独りぼっちの寂しさから、空想上の友達を作って遊んでいた。そんなある日、ラウラのもとをソーシャル・ワーカーのべニグナ(モンセラット・カルージャ)と名乗る老女が訪ねてくる。ベニグナはシモンが養子であることや難病のことなど、誰も知らないはずの秘密を語り出す・・・。


題名にも、こどもたちってあるから子どもたちが出てくるんですけど、その前にあえて言っておくと僕は子どもが好きではありません。たぶんこのブログ見てる人は僕は子供好きなんだろうなと思っていると思うんですがそれほど好きではありません。まず子どもを子どもと思って見ていない。大人になっていない何か、としか見ていないんです。水木しげるさん的にいえば「子どもはみな妖怪です」みたいな。だから自分(大人)より下には見ていない。上から見下ろしてはいるけど。関係性の上下はあるがそれ以外はそんなにかわらない。ということを少し言っておきます。

『永遠の~』を観て改めて思ったのは、自分の養子に対する捉え方が以前とまったく異なっているということ。全く抵抗がなくなっているということでした。だからラストでラウラがシモンに対してした行いが解ってしまうという事態です。だから、こんなこというと親に怒られるんだろうけど自分の血が絶えることになったとしてもそこに執着はないということ。どうですか?そんなこと考えたことありますか。この作品を観てそんな世界を思索してみるのもいいかもしれない。

といってもデル・トロ的世界観なのでちょっと特殊なんですが。


最後に、個人的にツボなシーンがあったのでちょっと書きます。

「つまり、ユングによれば潜在意識において生者と死者は共存するのです。ドイツで“死の使い”とされるドッペルゲンガーとは、あなたと全く同じ姿をしたもう一人の自分です。もしドッペルゲンガーと出くわしてしまったら、いささかも疑う余地はありません。そこは霊界への入り口なのです。」


あとひとつは、霊という存在を夫に否定された母親がひとりで霊と対話するために霊媒師に助言を求めるシーン

「あなたは強い母親だ。

その苦しみが力となって導いてくれる。

でも我が子のためにどこまで行くか。

決めるのはあなた自身。

自然に聞こえてくる。

そして見えないものを信じなさい。

信じれば必ず見える。」



で、間違えていた『預言者』の監督はジャック・オディアールです。この作品はカンヌでグランプリを受賞。

そして同監督の新作『君と歩く世界』がまたよさげ。