ロックのすすめ


今回紹介する映画は、「スクール・オブ・ロック

これはいわずと知れたバリバリの学園ロックンロールコメディです。

主人公を演じるジャック・ブラックは自身でも”テネイシャス D”というバンドで活動しているかなりのロックオタク。劇中での演技は大げさに見えますが実は素の演技です。本人いわくあれでも抑えているとのことですが。


内容はというと、バンド活動をしていたある日突然メンバーからクビを宣告され、さらにルームメイトからも追い出されたダメダメな主人公は偶然の成り行きで名門小学校で代用教員をすることになってしまった。そこで生徒を持つことによってある使命感が生まれてくるのだが・・・。


先に言っておくと、この映画の脚本を書いたのはジャックの友人で、ジャックのために書いた脚本であります。映画好きな人からすればジャック・ブラックという俳優はあまりにも有名。その音楽オタクぶりと個性の爆発ぶりにおいて。キャメロン・クロウ監督作の「ハイ・フィデリティ」でもオタクなレコード店員を演じています。

要は個性です。個性は極めると光るということです。

ということなのでこの映画は彼の一人舞台の感は否めませんが

エリート小学校を舞台にしている笑いと風刺、感動、そして涙ありの作品。ラストはうれし泣きです。

監督は「オースティン映画協会」の設立者であり「恋人までの距離」のリチャード・リンクレイター


私自身も講師という立場ではあるけども教育現場に立ち始めて数ヶ月になるわけですが、身内にも小学校教師が数人いるものだからこういう映画(コメディだけど)を見ると客観視できる反面、教師っていろいろ大変なんだよな、と感慨深くなってしまう。

この映画は舞台が小学校なので、もちろん風刺としてのモンスターペアレンツなるものが登場する。

教師あれどまず第一に子どもに一番影響を与えるのは多くの場合は親であり、子どもは必然的に親の影響を受ける。まず子どもは親を真似ることから始めるわけですが”まねる”という字は語源的にいって”学ぶ”と同じ意味をもっていて、学習とは鳥が母親の羽の動きを真似てはばたかせる、という意味での「習」であり、学ぶことといえます。加えると、これは外面的な部分だけではなく内面つまり心の中までも、ということが言える。子どもはそれほどまでに感受性が豊かであるはずですので。

子どもの楽しめることを薦めてくれればいいが不幸なことに世の中そういう親ばかりじゃない、という視点から見たこの映画に出てくる親の在り方はまさにその典型といえる。ありがちな設定だがそこに問題提起をし、もっと冒険をさせようという、その手段のひとつとしてロックを選んでいるのがこの映画。

「ロックの本質は基本的に反体制・反抗であって、それを学校で教えるというのはロックの本質に反する」の言葉どおり矛盾はあるんだけど世の中は矛盾だらけなのだからそこはあえて考えないでもらいたい。

ただ劇中での子ども達は本気で楽しんでいる。それを見るのもまた楽しいものだったのです。歴代名曲ロックの数々もまとめて聴けます。